はじめまして。ATOM事業部 デザイナー、ポニーテールのponyです。
事業部専属のインハウスデザイナーのため、普段の業務はバナーやロゴのグラフィックの作成からATOMのUIやUXの提案、WEBサイトのデザインやコーディングなど幅広く業務を行っています。
今回は、ATOMの機能リニューアルのためにユーザビリティテストを行いました。
サービス概要
ATOM
ATOMはSO Technologies株式会社が提供している、WEB広告レポート自動化ツールです。
ATOMのユーザー
ユーザーは主にネット広告代理店勤務の方です。
また、今回は既存機能のリニューアルのためのUX調査なので、現在のATOM利用ユーザーとなります。
toBサービスのため、ユーザーは企業に所属している方となります。
SO Technologies株式会社の社員
SO Technologies株式会社はコロナウイルスが流行りだした2020年の2月~3月あたりから完全リモートワーク可能な状態となりました。
現在も継続的に在宅勤務を続けており、開発者やデザイナーだけでなく営業やカスタマーサポートのメンバーも自宅で仕事をしています。
※オフィスもあるため、必要なタイミングで出社も可能です
ユーザーヒアリングについて
テレワーク環境下おけるヒアリングの重要性
前述した通り、 SO Technologies株式会社の社員は全員リモートワークなので、顧客(ユーザー)との打ち合わせも基本的にオンラインで行っています。
テレワーク開始前も電話の対応もありましたが、基本的には直接の打ち合わせやATOM道場と呼ばれる勉強会を開いたりなど、ユーザーと関わる機会が多くありました。
現在も、電話やzoomやGoogle meetを利用した会議、オンラインセミナーは行っていますが、定期的な会議だけでは過去に比べてユーザーからの声を聞く機会が減っています。
オフラインで行っていた時期に比べて、サービス提供サイドから積極的に機会を設けてユーザーの声を聞くことが重要となっています。
ユーザーテスト(ユーザビリティテスト)とユーザーインタビューとは
ユーザーテスト(ユーザビリティテスト)
ユーザーテストとは、機器やソフトウェア、Webサイトなどを利用者に実際に操作してみてもらうテスト。主に機能性や操作性、使い勝手(ユーザビリティ)などを評価・改善するために行われることが多い。
一般的な手法は、対象システムが想定する利用者像に近い属性を持つ被験者を集め、システム上で達成してほしい課題をいくつか与え、用意したコンピュータで実際に操作してもらう。その様子を映像で録画したり操作記録を取って、終了後に被験者と面接する。
被験者が開発者側の意図と異なった操作をしていた場合にその時の意図や認識を尋ねたり、逆に、課題を行う上で困難に感じた場所やわかりにくかった箇所などを指摘してもらう。複数の被験者が同じ箇所でつまずくようであれば、その部分の画面構成や案内、操作法などが分かりにくいため改善する必要があることがわかる。
出典元:IT用語辞典
一般的な手法に基づき、今回もリニューアルする機能を利用しているユーザーをターゲットにすることにしました。
また、実際の操作は同じ空間で直接見ることはできないため、画面共有して操作していただくことを条件としてユーザーテストを依頼しました。
ユーザーテストの概要はこちらも参考になります。
ユーザテストガイドライン – #シン・トセイ 都政の構造改革ポータルサイト
ユーザーインタビュー
ヒアリング(ユーザーテストとユーザーインタビュー)方法
ユーザーテストとユーザーインタビューは主にzoomとGoogle meetを利用しました。
環境に合わせて通話ツールは選んでいただき、画面共有していただきたいことは事前に伝えます。
ヒアリングの前準備
社内メンバー(PM、開発者、デザイナー、CS)のヒアリングに必要な要件、ヒアリングで知りたい要素のすり合わせ
ヒアリングの要件を満たすユーザーの選定
ユーザーテストのシナリオ作成
ユーザーインタビューの際にチェックする議事録、項目表の作成
ヒアリングユーザーとなるお客様の打ち合わせ日時のセッティング
ヒアリング当日
初対面の方も多いので、所属の部署と業務内容を簡単に自己紹介
今回のヒアリングの目的をヒアリングの順序を説明、録画して社内共有して良いか確認
ユーザーテストのシナリオを共有
ユーザーテストをシナリオ通りに実行してもらう
ユーザーテストで見ていて気になったこと、他にも聞きたいことをインタビュー形式で聞いていく(この際に要望も一緒に出てきやすいので、少しでも出てきたら深掘りするようにする)
今回のヒアリングで気になったことはあるか、サービスを使っていて気になることや困ったことがないかお客様から質問をいただく
ヒアリングの議事録・項目表をまとめて社内で共有、今後のアクションを考える
ヒアリングの際に気をつけたこと
お客様の気遣いでサービスに対して発言はしないように気をつけてくださる方もいるので、ネガティブな発言も発してもらえる方が嬉しいということを事前に伝える
ユーザーテストの際に、ATOMのブラウザアプリ以外に利用しているブラウザアプリやサイト、ローカルのツール(エクセルなど)、PC以外のメモ帳や筆記具など利用しているものがあるか質問。
ユーザーテストの最中にこちらから質問をしない
ユーザーテストの最中に思ったことがあれば、「これなんだっけ」「えーと」などなるべく口に出してもらたいと伝える
録画はなるべく最初から行うようにする
画面を見る際にお客様の表情と画面の操作、どちらも見られるような画面設定にする
ユーザーテスト自体に初めて参加する人も多いため、段取り通りに行うようファシリテーションをしっかりする
テレワーク環境下のヒアリングのメリット
画面の操作と操作中の表情どちらも見られる。直接行うと画面を後ろから見るだけなので、操作ユーザーの表情を見ることができない
録画ができるため、後から見返しやすい。抜け漏れや認識のずれが起きづらい
ユーザーもリモートワーク実施中の会社の場合、実際の操作と同じ環境で操作しているので、よりリアルな環境で操作を共有してもらえる(オフラインの場合は会議室になることが多く、操作環境が普段と違う場合が多い)
会議のための移動時間を考慮する必要がないため、打ち合わせの日程を組みやすい
テレワーク環境下のヒアリングのデメリット
複数のディスプレイを利用している場合、全てを見ているわけではないので同時操作などがわかりづらい(オフラインで打ち合わせをした場合も会議室でユーザーテストを行うと同様のデメリットは発生する)
どちらかのwifiの接続が悪いと途中で切れてしまうことはある。
特に画面共有をする際は動作が重くなりやすい打ち合わせのアポイントが取りづらい。
テレワークになってから、メールやチャットのみのやりとりで完結している企業だと「カメラをつけて顔出しのビデオ通話+画面共有+ユーザーテスト・インタビュー」のハードルが高い。
それ以前の問題で、テレワークが始まってから電話を利用していない企業もあるため、電話をかけてアポをとるということ自体難しくなってきていると感じた。
(協力していただいた会社には感謝しかありません・・・!)
やってみた感想
今回、記事にまとめてみて思ったのは、意外とデメリットよりメリットの方が多いのではないかと思いました。
オフラインのユーザーインタビューも実際執務室に入らせていただいて行うより、会議室でノートPCを持ってきて行うことの方が多いため、実際の操作環境に近いオンラインのユーザーインタビューだからこそ発見できる内容もありました。
最後に
オンラインでのヒアリングを快く了承してくださったATOMをご利用いただいている皆様、ヒアリングの機会をセッティングしてくれたCSのメンバー、本当にありがとうございました!