失敗パターンから学ぶ、エンジニア新卒採用面接で押さえるポイント

AG-Boost事業部で開発責任者をしている清水です。 以前学生の方向けに採用担当者目線での新卒エンジニア面接についての記事を書かせていただきました。 この3年間ほどエンジニアの新卒面接に携わらせていただき更に知見が増えたのでそのアップデート記事として書こうと思います。人事ではなく開発現場のエンジニアとしての目線で面接をしていて、うーんなんか浅さが見えてしまうなというポイントを書きたいと思います。逆に言えばそこを対策すれば、良い面接ができるのではないでしょうか?

授業でやった程度で体系的な勉強を一切していない

エンジニアになりたいといって就活をしているのに初歩の初歩も勉強できていないパターンです。 配列とか変数定義とか何となく知っているがいざ自分で書くと躓いてしまいます。 一冊くらい本を読み、問題を解いていくとネットでその都度調べるよりも周辺知識が付くので自分のベースができるのでおすすめです。

ポートフォリオ作りに必死でコーディングが疎か

面接で話すためのポートフォリオを作ることに専念した結果、コーディング力をおろそかにしてしまっている学生もまあまあ多く勿体ないです。 勉強で掲示板を作りました、Twitterコピーを作りましたと、簡単なウェブアプリを成果物として履歴書に書いていたり話す方は多いです。そのこと自体は素晴らしいと思いますがここで言いたいことは、「そういう学生の方は多くいるので特段珍しいことではない」ということは覚えておくといいと思います。 またコードを書いてみると簡単な配列処理をfor文で書けないことがあります。 近年は本当に情報に溢れており、理解していなくてもネットに書いてあるとおりにやるだけで簡単なアプリが作れる様になりました。 掲示板とかそういうものを作るとDB接続や環境周りに悩まされることも多く、コーディング自体が少ないこともあります。そういう場合はAtCoderやpaizaなどでコーディングトレーニングもしておくといいでしょう。初心者ならpaizaのほうがおすすめです。

プログラミングスクールに行っただけで止まっている

上記に近いですが、プログラミングスクールに行ってカリキュラム通りに写経して掲示板を作りましただけだと意味がありません。 プログラミングスクールに入ったという人は非常に多いのでそれだけでは武器にはなりません。下手をするとプログラミングスクールビジネスに乗せられて何も学んでいない人という評価を受けてしまうかもしれません。 プログラミングスクールで勉強したことはアピールすることではなく、取っ掛かりとして入りましたくらいの説明でよく、それをベースとして企業のインターンに行ったり自分でアプリ開発するなどステップアップしているということをアピールしたほうが得策です。

会社のことを全く調べていない

これは前回のブログでも書きましたが依然として多いパターンです。 業界のことや受ける会社のことを全く調べておらず、何のサービスを提供しているのかも知らないパターンがあります。 これは弊社がまだ学生の方に興味を持っていただけるようなレベルにないということの裏返しなので、弊社としても今後とも頑張っていかなければと思う限りです。 ただ、面接前の30分ウェブページを調べればわかる程度のことは最低でも調べておいたほうがいいです。 本命企業の前の面接練習にしても、調べないで適当に受けたら練習にすらならないのでどんな面接であっても全力で臨んだほうが良い経験値が得られるでしょう。

インターンには行っているけどちゃんと説明を聞くと軽作業しかしていない

インターンも千差万別で、プロジェクトに入ってコードを書かせてもらえるインターン、データ仕分けのような軽作業がメインなインターン等色々あります。何の技術を使ってどうやって作っているかの話はなかなかごまかしが効かないところなのでちょっと話せばどのくらいプロジェクトに関わっているのかはすぐわかります。 エンジニアを目指す学生に取ってインターンで重要なのは会社のネームバリューでもプロジェクトの規模でもなく、自分がプロダクションコードを書いているかなのでプロダクションコードを書ける環境にインターン行ったほうが良いです。

自分の言葉で語らない

ITを通して人々を幸せにしたい、価値を提供したいという等の抽象的な話で止まっているのは良くないです。 自分の価値観が何で、それを叶えるためにエンジニアなりたい、という話を自分の言葉で言える人が信用を得られる人だと思います。どれだけ今の技術が拙くても、エンジニアになりたいと思った背景、そのために何の努力をどのくらいの期間続けているか、成果が出ているかを飾らずに伝えることができればそれだけで十分です。 嘘を付いていたり何処かから持ってきて取って付けたような言葉は人の心を打ちません。

いくつか思いつくパターンを書きましたが、他社様の面接担当をされている方とも話すと結構同じような目線で面接をされている方が多いことがわかりました。 これらのケースを複合すると

  • 技術がゼロベースなら本を一冊読んで体系的に学ぶ
  • コードは基礎構文やデータ処理はスラスラ書けるようにpaizaやAtCoderでトレーニングする
  • 勉強しており、目標に向けてステップアップしている様子を見せる
  • 面接は受ける相手のことはしっかり調べる
  • 可能ならプロダクションコードを書けるインターンに行き、現場に近いレベルで働いてみる
  • 取り繕わないで自分の言葉で想いを伝える

はい。 本当にどこにも書いてある普通のことしか言っておらず全然面白みがありませんね。 ただそれだけ重要だからみんな同じことを書くのだと思います。 当たり前のように書いてしまいましたが、毎日コーディングトレーニングをする、インターンで現場を経験してみる等結構難しいことを言ってしまったかもしれません。が、一番伝えたいのは最後の自分の言葉で飾らずに勝負をするということです。それはエンジニア面接に限らず全ての職種に言えることだと思います。 学生の方が良き就活ライフが送れることを祈っています。