期間限定プロジェクトで開発とCSの連携フローの改善を行ってみた

デザイナー、ポニーテールのponyです。

2023年5月から7月にかけて、3ヶ月限定のプロジェクトを発足し、開発とCSの連携フローの改善を行いました。
このプロジェクトは珍しい取り組みだと感じたので、どんなメンバーでどのように進めたのかについて、この記事に書いてみようと思います。

概要

ATOMの開発とCSは、それぞれ別の部署で業務を行っています。
しかし、ヘルプの作成やリリース前のテストなど、開発とCSで連携する必要のある部分があり、これまでは特定のドキュメントも存在せず各担当者で個別に対応していました。
このような個別対応では、担当者が変わった際に毎回フローを確認したり、ドキュメントがないために過去の対応内容が分からなくなってしまうことがありました。
そこで、これらの課題を解決しようと立ち上げられたのがこのプロジェクトです。

目的

主にヘルプの作成とテストフローの改善を目的に行いました。
下記の事項が全て達成することを目指しました。

  • フローの整備

  • 関連するメンバーの合意形成

  • ドキュメントに残す

  • 決定したフローを1回実行して完了する

メンバーと工数

プロジェクトは、CS所属1人、デザイナーの私、PMM1人、スクラムマスター1人、(更に開発から必要なタイミングで相談できるメンバーが何人か)というちょっと異色なメンバーで進めました。
全員所属している部署以外にも別のメイン業務がある中で、このプロジェクトには30~50%の工数を割り当てて取り組みました。
リーダー的な役割をしていたPMMが「このプロジェクトは部活的な立ち位置なので、無理に残業して行ったりメイン業務に支障が出る状況で遂行はしない。何かあったらすぐ相談し合おう!」というスタンスでサポートしてくれたことが印象的でした。

進め方

進行は、毎週水曜日に「スプリントプランニング」「スプリントレビュー」「スプリントレトロスペクティブ(振り返り)」を行うスクラム開発を参考にしました。
ドキュメントは主にNotionを使用し、issueからタスクを切り出して各担当者に振り分けました。
スクラムマスターとPMMが主に進行役を務め、プロジェクトに参加する際にはすでにわかりやすいNotionドキュメントが作成されていたため、効率的に進めることができました。
私とCSメンバーはそれぞれ担当領域を分け、私は開発部へのヒアリングや合意形成をメインに行いました。
必要に応じて2人で同席するミーティングを行いつつ、ドキュメントの作成も分担しました。

実行中の感想

良かった点

メインのフロー改善に加えて、定例の改善やCS内での困りごと、開発からの問題なども可視化して改善できたことが良かったです。
全ての問題が解決したわけではありませんが、お互いが抱える課題を共有し合うことで情報伝達や依頼がスムーズになりました。
例えば開発からの「ヘルプを作って欲しいけどどこで伝えたらいいかわからない」という悩みに対しては、誰がどこでどのタイミングで行うか、フローを整備しました。

大変だった点

関係者の合意形成が一番大変でした。
メインのプロジェクトメンバーで「このフローなら問題ないだろう」と考えたフローを実際に運用しようとすると、見落としていた問題が発生したり、効率の面で修正が必要だったりしました。
その時は、開発メンバーの協力を得ながら、実際の開発現場で実行可能なフローに細かい修正を加え、わかりやすい業務フロー図を作成しました。
開発メンバーの協力があったことで、最終的にわかりやすいドキュメントが完成し、とても助かりました。

3ヶ月間での成果

3ヶ月間で主に目指していた「ヘルプのフロー改善」と「テストフローの改善」を達成できました。
特にヘルプについては、フローの改善から実際の運用まで完了し、7月時点でCSと開発が連携して作成したヘルプをフローに沿って運用し、リリースすることができました。
テストフローについては、実際の運用からの改善は今後になりますが、CSと開発での考え方や実行時の障壁などを可視化することができたと思います。

振り返り

期間限定で終了した理由

やりたいことが達成できたため、そして8月から実行メンバーの変更が必要だったため、この時点で終了となりました。
新しいメンバーに引き継ぐよりも、今の段階でやりたいことを終える方が優先されました。
もし変更したメンバーが新たな改善点を見つけた場合、必要ならばプロジェクトとして再度取り組むなど、柔軟に対応した方が良いという結論になりました。
個人的にも、長期間にわたって課題が解決し続けている状況よりも、区切りの良いタイミングで業務フローを決定し、実際の運用に移行できる方が良いと感じています。

3ヶ月を振り返って

プロジェクトのレトロスペクティブ(振り返り)を行った際に、最初に始めたヘルプのフローがしっかりと運用され、問題なくページがリリースされている状況に気づきました。
初めの1ヶ月は運用に移すためのドキュメント整備や合意形成に時間がかかり、実際の業務フローにフィットするまでには少なくとも3ヶ月かかると実感しました。
また、過去に始めたユーザーヒアリングも同様に最初は全く行っている人がいなかったが、気付いたら今では多くの部署で様々な職種の人が行っていることに感慨深い思いを抱きました。
このプロジェクトのメンバーも同様な経験を持っている人が多く、"草の根運動は最初はあまり推進されないが、頑張ってればいつか自然に受け入れられるし、その時には最初に始めた人は既に別の草の根運動や全く違う業務に取り組んでいる"という話を共有し合えて、自分と同じことをしてきた人は他にも社内にいたのだなと感じ、このメンバーでプロジェクトが実行できて良かったです。
これからも組織内で新たな取り組みを始めることがあるかもしれませんが、目的の達成条件の4点を守って進めることで、草の根運動から段々と業務フローに溶け込んでいくことができます。
このプロジェクトを通して、未来の仕事に対して自信を持つことができました。